製作:こう房 HAND A
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スピニングリール快造実践編
Shakespeareの2つのリール、
「2171」「2062」
片や日本の大森製作所のOEM製品。
片や本家アメリカ製品。
いずれも大変古いものを
蘇らせる!
「播漁研」播磨漁具研究所
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スピニングリール快造実践編
スピニングリール快造実践編
ここに大森製作所がアメリカのShakespeare社にOEM輸出した名機「2171」という大変古いスピニングリールがあります。
後ほど途中からもう1台、
Shakespeare
「2062」(アメリカ製)も登場します。※分解前の撮影を忘れてしまいました。
コンディションは最悪。汚れあり。また回転性も悪く、ここは胆を据えて
造開始だ!
分解します。
案の定、内部のグリスは硬化というよりむしろ、
「石化」した状態。外側もキズ、汚れだらけです。
洗浄に移ります。
しつこい油汚れを落とすには、スプレー式のパーツクリーナーがお奨め。ここではKURE-ブレーキクリーナーを使用し、歯ブラシで丹念に汚れを落とします。
ここから Shakespeare「2062」も登場。
2台のコンディションはほぼ同等です。
クリーナーで洗浄が終了したパーツを並べてみました。これからさらに、洗剤を使って水洗いし、乾燥させます。
特に歯車、ギアなどの機関パーツはここまで徹底して磨かなければ本来の性能復帰は望めません。
ペイントロスのタッチアップのため、色をオリジナルに極めて近い物へ配合します。ここでは車の補修に使う塗料を何種類か使用します。同じメーカーの塗料で揃えると親和性が同じなので絵具を混ぜ合わせる感覚で、パレットに塗料を採って調色できます。
リール2体、それぞれ3色ずつ配合することにしました。車の補修塗料はアクリル樹脂ですので塗膜が強く、また全天候性、丈夫で安心です。
それぞれを配合したところです。小さな器に少しずつスプレーしながら綿棒で混ぜ、色を合わせていきます。
古いリールは1個として1つの色でOKというものはありません。何十年も経つうちに紫外線と反応して色が変わりますので、現在持ち合わせている色は正確には元々の出荷時の色とも違っています。
この配合、調色操作が最もテクニックと経験が必要な工程ですので、入念に行いましょう。
指に塗料で汚れないようにテープを巻いて、その上にガーゼを巻き、それに塗料を採ります。リールのキズ部分にガーゼをトントンと叩くように
「置き塗り」してタッチアップします。
完成!
Shakespeare「2171」は組み立てて完成です。残念ながらサイドプレートのロゴ印刷は洗浄するだけで簡単に剥がれてしまいました。経年劣化していたためです。全体的には落ち着いた雰囲気。グリスアップをしっかりして回転は最高にスムーズ。本来の性能に復帰しました。
タッチアップ完成2時間くらい乾燥します。
「2062」のローターハウジング部分はペイントタッチアップではなく、逆にペイント剥離剤を使って塗膜を除去した後、軽く研磨して無塗装状態にしました。下地のアルミはアルマイト処理がされているのでグレーのシブイ色、しかもキズに強いことが分かっていたので、ツートーンに仕上げてカスタム仕様を試みます。
「2171」
「2062」
完成!
Shakespeare「2062」は組み立てて完成です。ツートーンにリフレッシュしたオリジナリティあふれるカスタム仕様。好みは分かれるところでしょうが、オリジナルのモノトーンよりイイ顔しています。これもグリスアップをしっかりして回転は最高にスムーズ。本来の性能に復帰しました。
以上、
この作業工程を一通りマスター出来れば怖いものなしですね。
それにオリジナルの工夫をさらに加えてテクニックを磨いて、
カスタム・タックル・ビルダーを目指してください。
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